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顎関節症

 あごが鳴ったり、口が大きく開かなかったり、口を開けたりものを食べたりするとあごが痛んだりする。
もしこの3つの症状があなたのあごにあるのなら、あなたは顎関節症治療の必要があるかもしれません。
顎関節症は年々増加傾向にあり、患者数やその重要性から虫歯や歯周病につぐ第3の歯科疾患とも言われています。
病院を訪れる患者様は女性が多く、年齢層は10歳代の後半から20歳代の後半にかけてピークになる傾向があります。
また、顎機能障害により頭痛・肩こり・手のしびれ・難聴などを訴えることもあります。
原因には様々な考え方がありますが、咬合異常、歯ぎしり、歯のくいしばり、ストレスなどをはじめとする複数の要因が複雑なメカニズムで働き発症するといわれています。
治療には、歯科医院、整体、カイロ、精神科など、さまざまな科での治療方法がありますが、最も一般的なのは、歯科の口腔外科による顎のズレの治療です。

 顎関節症に関する疫学的報告は多いが、その内容は報告によってまちまちです。
病院を訪れる患者数が年々増加しているという報告がある一方で、最近愕関節機能障害者に頭打ちの傾向がみられるという声も専門的に診療する担当者の間にあります。こうした傾向をそのまま顎機能障害者の増減傾向としてとらえていいも のか疑問もあります。この疾患に関する情報がマスコミなどで一般の人たちに伝わり、認識されるようになったことが患者数増加をもたらし、最近になってこの失陥を診療する臨床医も増加したことが病院などの施設を受診する患者数の漸減につながったという見方もできます。
 
  顎機能障害者の年齢的特徴としては、20歳代に分布にピークがあるとする報告が多いが、近年になって発症年齢の若年化も指摘されています。
性差については女性が男性の約2倍から9倍と様々であるが、いずれの報告においても女性患者が有意に多いとされています。しかし一般の集団に対する調査では男女間には有意の差がないとする報告が多く、発症頻度に男女差があるか否かは明かではありません。
一般集団の調査結果をみると、なんらかの顎機能障害の症状を有するものの割合は28~86%であると報告されていて、徳島大学歯学学生を対象とした調査では男女とも約60%でした。これらのすべてが治療を必要とする患者であるとはいえませんが、罹患率に相当する発症頻度はかなりの高率に上っているといわれています。

 顎関節症の病態のうち、主な臨床症状としては顎関節の雑音、顎関節および咀嚼筋群をはじめとする頭頸部の筋肉の疼痛、開口制限などの顎関節症です。これらの顎機能障害の3大症状ともいわれています。これらの症状のほかに随伴症状として、頭痛、肩こり、咬合の不安定感、耳閉感、難聴、めまい、下の痛みやしびれ、焦点が定まらないなどの眼症状、症状自体が明確でない、いわゆる不定愁訴などがあります。
これらの症状を単独で訴える症例もありますが、通常は複数の症状を同時に持つことが多く、顎関節症が感染症や腫瘍などと異なり、必ずしも明確な病態を持たない症候群であることを示しています。
患者の訴える臨床症状の他に、X線やMRIなどの画像所見、顎運動や筋電図所見、顎関節内視鏡所見などにおいて、顎機能障害の病態を示すさまざまな特徴が認められる。

  顎関節雑音としては、カックン、コッキンなどと表現される弾発音のクリっキング、ギシギシとかジャリジャリと表現される摩擦音のクレピテーションがあります。クリッキングは関節円板の転移や変形、関節腔内の滑液の粘性の増加あるいは閉口筋の過緊張などに伴う間接円板と下顎頭の協調失調によって生じるといわれている。レシプロカルクリックといわれる復位性の関節円板前方転位というのがあります。これは前方に転位した関節円板が開口時下顎頭の前方移動に伴った際に生じる閉口時クリックと、閉口時に再び関節円板が転位する際に生じる閉口時クリックの療法をもつタイプです。クリッキングには、下顎頭が関節結節に乗り越えるときにクリック音が発生するエミネンスクリックなど、このほかにも種々のタイプがあります。一方クレピテーションは、顎関節の関節面を構成する諸組織の器質的な変化や顎関節症に伴う関節円板あるいは関節円板あるいは関節円板後部組織の穿巧によって発生するといわれています。

  顎関節や筋の疼痛:顎関節症における顎関節や筋の疼痛は自発痛であることは比較的少なく、開閉口や噛みしめなどの運動時痛や触診による圧痛など誘発痛であることが多い。また、筋に自発痛がある場合でもほとんどが違和感や鈍痛であり、定位は必ずしもよいとはいえません。したがって、疼痛部位が顎関節にあるのか周囲の咀嚼筋にあるのか、患者の訴えから判定することが困難な場合が少なくありません。

  顎運動障害としては、顆頭の運動制限による開口制限や開口運動の偏位および筋性の開口制限があり、前者は主として関節円板の転移に伴うロッキングや癒着によるものであり、後者は疼痛に対する防御的筋スプリティングや筋の拘縮によるものです。片側の顎関節にロッキングなどがあって顆頭運動が制限されると、開口運動路は患側に偏位します。
開口量は性差、身長差、垂直的被蓋の量に差などの要因によって影響を受けるが、前歯切端間距離で40mmに満たない場合は一般には開口制限ありとしています。
分類:複雑で多様な病態を持つ症候群としての顎関節症を分類することは診断上非常に重要であり、国際的には米国を中心に国際頭痛学会の頭痛・脳神経痛・顔面痛の分類および診断基準に準じた分類が一般に用いれ、ガイドラインが示されています。
一方、わが国では日本顎関節学会の症型分類が一般にも用いられているが、国際的な認知を受けるには至っていません。両者間の整合性をとるのが必要です。

 顎関節症はの発症(悪化)因子としては、機能的な意味での咬合異常、ストレスなどの精神心理学的要因、打撲などの外傷、随意的な口腔内外の悪習慣や不良姿勢がある。このほかに顎口腔領域のさまざまな不快習癖やストレスなどの誘因となる。ブラキシズムなどの習癖はストレスや咬合異常などと関連した神経筋機構の制御異常あるいは活動性の亢進した状態であると考えることができ、顎関節症の主要な発症要因として重視されている。
以上のような発症要因が、様々なメカニズムで働くが、これらの時間的、空間的な総和が各個人の体質などによって決まる抵抗性や適応能力の範囲を越えた時に、顎関節症の様々な症状が発症します。また、疼痛などの症状はストレスを増大させる要因でもあり、悪習癖や不良姿勢も助長することもあり、これらが悪循環となってさらに症状を悪化させることも少なくありません。
 
 顎関節症には様々な症型があり、また仮に似通った症型であっても発症メカニズムは必ずしも同じであるとは言えないことから、患者ごとに発症メカニズムについての診断を行わなければならない。
こういった様々な要因のなかで、特に顎関節症を有する患者については咬合異常が非常に大きな要因を占めていると思われています。代表的な顎関節症状であるクリッキング・ロッキングは顆頭の偏位に伴う関節円板の転移や変形と関連が深く、顎関節に形態異常のみられる症例では歯のガイドの異常が問題であることが多いです。咬合に異常があって夜間のブラキシズムの習癖があると、ブラキシズム中の顎関節への負荷は著しく大きなものとなり顎関節症がさらに発症しやすくなります。筋症状については夜間のブラキシズムも要因の一つですが、日中のクレンチングや不良体勢、舌習癖などとも関連が深く、ストレスなど精神的要因も大きな比重を占めています。
 
 米国などでは咬合異常の関与を否定したり軽視したりする風潮がありますが筋症状を主体とする症例においても咬合異常が直接、関節に重要な発症因士となっていることも決して少なくはなく、病院から咬合異常を除外することには無理があります。
また、米国では矯正治療が普及している為か、歯列に異常のある顎関節症が日本より少ないという印象があります。こうした患者の質の違いや家庭や社会環境の違いなどが、咬合軽視、ストレス重視といった顎関節症の病因論を生むことの背景にあるのかもしれません。
ここで改めて強調したいのは、患者ごとに発症メカニズムが異なるということです。
多種多様の病態をもつ顎関節症を一つにまとめて病因論を述べるのは誤りです。

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